暇つぶしに動物占いをしてみたら〈感情的なライオン〉と出た、
元アウトドアショップスタッフのZEENです。
本人至って〈借りてきた猫〉です。
それはさておき…
今回はダウンジャケットの基礎知識について…
・ダウンジャケットに表示してあるフィルパワーってどゆ意味…?
・登山用ならどれぐらいのフィルパワーが必要…?
・ダウンジャケットの選び方を教えて欲しい…!
ダウンジャケットによく表示してある〈フィルパワー〉
着るだけで山の戦闘値が上がってなんだか強くなれそう…
そんな気持ち…
しかしこのフィルパワーという戦闘値、
いったいどれぐらいの数値が登山には最適なのか、
それが分かればダウンジャケットを選ぶ時の目安になりますよね。
今回は、ダウンジャケットを選ぶ際のポイントとなるフィルパワーについて
元アウトドアショップスタッフのZEENがご紹介します。
フィルパワーとは?
フィルパワーとは〈ダウンのかさ高の指標〉
フィルパワーとは、羽毛がグニュっと押し潰されても元に戻ろうとするチカラのこと。
すなわちダウンのかさ高の指標。
専門用語でご説明すると、
羽毛1オンス(28.4g)当たりのふくらみ度合いを立方インチ(2.54cm立方)で示す。例えば、「600フィルパワー」とは1オンスの羽毛が600立方インチの体積にふくらんでいることを表し、数値が大きいほど良質なダウンと言える。日本では計量法に基づき、証明書などでの体積表記には、SI単位cm³/gの使用が求められている。
引用:Wikipedia
ちょっと何おっしゃってるのか分かりません…
分かりやすく解説しますと…
たとえば、
・600フィルパワーならば・・・1オンスの羽毛が600立法インチの体積に膨らむ
・700フィルパワーならば・・・1オンスの羽毛が700立法インチの体積に膨らむ
・800フィルパワーならば・・・1オンスの羽毛が800立法インチの体積に膨らむ
要するに、
同じ羽毛量でも、押し潰された時に元に戻ろうとするチカラが羽毛の品質によって違います。
元に戻ろうとするチカラが大きいほど羽毛のかさ高が増し、より良い品質の羽毛と言えます。
フィルパワーの数値の目安
では品質の良いダウンの目安は何フィルパワーかと言いますと、
□ 500FP以下 ・・・ 低ダウン
□ 600FP~700FP ・・・ 良質ダウン
□ 700FP以上 ・・・ 高品質ダウン
600FP以上が良質なダウンと言えます。
ダウンジャケットが暖かい理由
そもそもダウンがなぜポカポカするかと言いますと、暖かい空気の層をまとっているから。
膨らんだ羽毛の空間に、カラダの体温で暖まった空気を貯蓄して保温性を確保しているのです。
なので、その暖かい空気の層を確保するには羽毛自体の元に戻ろうとする復元力がポイントです。
グニュっと押し潰しても、潰れたままだと暖かい空気を貯め込むコトが出来ないですよね。
要するに、元に戻ろうとするチカラが大きい程、より多くの空間を作り出すコトが出来、より多くの暖かい空気を貯め込むことが出来ます。
また、その空気の層は外気の冷たい空気を遮断する効果もあります。
空気は熱伝導率が低く断熱効果がある為、外気の冷たい空気を遮断してくれます。
そのためダウンジャケットはより暖かく感じる事が出来るのです。
登山に最適なフィルパワーとは
フィルパワーの数値が大きい程、より軽く暖かいと言うのが分かりましたね。
なのでダウンを選ぶ時、より大きいフィルパワーを選びがち…
しかしフィルパワーにはいろんな数値がございます。
一番大きなフィルパワーを選ぼうとすると、お財布にかなりのダメージが…
お財布に優しいフィルパワーを選ぶと暖かさに不安が…
同じ山登りでも、低山ハイクもあればガッツリ雲の上の登山もあります。
標高が違えば山の気温もさまざま…
ご自身の登山スタイルを目安にフィルパワーを選ぶことが、最適なダウンの選び方となります。
・500FP以下 … 一般ダウン 街着用 アパレルブランドに多く採用
・600~700FP … 良質ダウン 低山ハイキングなど気温差の激しくない環境
・700~800FP … 高品質ダウン 一般的な山登り 負担にならないコンパクト性
・800FP以上 … 最高品質ダウン 夏の高山や雪山など 非常に軽量で優れた保温性
たとえば、
・普段はご近所の低山ハイキングばかりなので700FP程度で…
・富士登山に挑戦したいから高品質なダウンの800FPが欲しい!…
・夏のテント泊や雪山なら800FP以上の最高品質ダウンだと安心… などなど
なぜ登山には高品質フィルパワーが必要なのか
お高い山ほど寒いもので、標高が100m高くなるごとに気温が約0.65℃下がると言われてます。
参照:国際標準大気(気温減率)
へぇ~・・・なんかピンと来ないかも…
分かりやすく説明すると、
例えば、100m上昇でマイナス0.65℃だとすると、1,000mではマイナス6.5℃。
富士山の標高が3,776mなので、単純計算すると下界と山頂ではその差約24℃。
真夏の富士山の山頂気温は8月平均で約5℃であり、さらに風速1mごとに体感温度が1℃下がります。
夏山でも標高1,000m以上あればヒヤっとする肌寒さ。
シブがき隊並みに寒くてジタバタしちゃいます。
街中ならば暖房の効いてる建物に避難出来ますが、
山の上だと避難する場所も無くひたすら耐えるしか…
それだけ山登りでは防寒対策必至です。
これから色んな山に登ってみたいとお考えの方は、ちょっとお財布緩んでも保温性の高い高品質なダウンを選びましょう。
フィルパワー以外にもチェックしたい!ダウン選びのポイントとは
ダウンボールとフェザーの比率に注目せよ!
ダウンボールとフェザーとは
羽毛には、綿毛のようなダウンボールと羽軸のあるフェザーがございます。
一般的にダウンは、ダウンボールとフェザーが配合されています。
ダウンボールの羽枝と呼ばれる部分がロフト(空間)を作り出し、そのロフトに暖かい空気を貯め込みます。ロフトが大きいほど暖かい空気を確保出来るので保温力が高いと言えます。
そのロフトを確保するためにはフェザーの存在がポイントとなります。
なぜなら、フェザーはダウンボールが自力で復元しようとするチカラをアシストしているから。
いわゆるバネの役割です。
さらにフェザーを配合することでダウンボールが偏らないように防ぐ効果もあります。
ダウンボールとフェザーの比率も保温力に関係
ダウンボールとフェザーの役割は
・ダウンボール … 暖かい空気を貯め込む為のロフト(空間)を作り出す
・フェザー … ダウンボールが偏らないようロフト(空間)を維持する手助けをする
羽軸のあるフェザーは、芯があるぶん固く重量があります。
フェザーの比率が大きいと、重くカサカサした着心地となり、山登り用としては不向きとなります。
ダウンボールは軽く保温性に優れているので、
ダウンボールの比率が多いほど軽量で保温性が高いと言えます。
登山用なら
ダウン90%:フェザー10%の比率を目安に選ぶと良いよ!
私は、ダウン93%:フェザー7%の高品質ダウンを使っているわ!
軽くて暖かくてとてもおススメよ!
まとめ
登山には欠かせない保温着のダウンジャケット。
アウトドアメーカーからいろんなタイプのダウンが出ていて選ぶのに困っちゃいますよね。
そこでダウン選びのポイントとなるのが「フィルパワー」
このフィルパワーの数値が高いほど保温力が高く、軽量で持ち運びしやすいので登山におススメです。
登山用のダウンをお選びの際は、このフィルパワーに注目して選んでみて下さいね!