今回のお悩みはこちら
富士山に登ってみたいけど高山病が心配…
高山病ってどうしてなるんだろう…?
もし高山病になっちゃったらどうしよう…
なにか対策とかないのかしら…?
こういったお悩みにお答えします。
今回の内容はこんな感じ
- 高山病にならない為の対策と予防法
- もし高山病になった時の対処法
この記事を読めば、高山病に関する基礎知識が分かります。
初めて富士山に登ってみようとお考えの登山初心者さん向けです。
〈 高山病対策 〉の参考に ぜひご覧になってくださいませ。
高山病はなぜ起こる?初めての富士山でリタイヤしない為の基礎知識
高山病とは?
高山病とは、標高の高い高所で低酸素状態となる症状のことです。
高山病(こうざんびょう、altitude sickness)とは、低酸素状態に置かれたときに発生する症候群。最近では(熱射病や日射病という病名が、より病態を表現した「熱中症」と呼称変更されたように)「高度障害」と呼ぶ場合も多い
ウィキペディア(Wikipedia)より
標高が高くなると大気圧が低下し、空気が非常に薄くなります。
空気が薄くなると、カラダが〈酸欠状態〉となりカラダに異常をきたします。
一般的に、標高2,500m付近を超えると高山病になる可能性が高くなります。
これには個人差があり、1,500m付近でも高山病の症状が出る方がいます。
富士山で例えるなら、登山口ですでに標高が2,000m以上…
なので登山口に到着した時点から高山病のリスクがある感じ
高山病の症状とは?
高山病の症状はこんな感じ
- 頭痛
- 吐き気や嘔吐
- めまいや立ち眩み
- 疲労・脱力感
- 食欲不振
- 睡眠障害
高山病はなぜ起こる?
ではなぜ高山病が起こるのか…
カラダが酸欠状態になるから
高山病の一番の原因は、酸素不足です。
標高が高くなると気圧が下がり空気が薄くなります。
空気が薄くなると同時に酸素の量も減っていくので、血中の酸素濃度が低下し高山病となります。
水分不足から脱水状態になる
標高が高くなって空気が薄くなると、呼吸する回数が増えていきます。
呼吸する回数が増えると、自然と吐く息から水分が多く排出されます。
排出された水分を補給するようマメに水分摂取をしないと高山病の原因となります。
これらの原因を知ることで高山病を対策することが出来ます。
高山病にならない為の対策
急激に高度を上げない
初めての富士山にテンション急上昇。
嬉しくなってすぐに歩きだしたくなりますが、そこはグッと我慢。
カラダを高度順応させないと高山病になっちゃうよ!
登山口に着いてもすぐ出発しない
登山口に着いてもすぐ出発しないようにしましょう。
なぜなら標高が高く気圧の低い状態にカラダを慣らす必要があるから。
最低でも一時間程度は気圧の低い状態にカラダを慣らしましょう。
ストレッチ体操や山小屋周辺を歩きカラダを慣らす
カラダを標高に慣らす時間は、ストレッチ体操や山小屋周辺をウォーキングすると良いでしょう。
山小屋で寝たり座ったまま休憩を続けると高山病になりやすくなります。
ペース配分に注意する
念願の富士山に思わずハイテンション。
体力自慢もあってか、ついついいつもよりハイスピードで歩きがち。
しかし要注意!
気分上々のままハイペースで登り続けると120%高山病にかかります。
いつもより歩くスピードを抑えてゆっくり登る
いつもの歩くスピードを〈10〉とすると、富士山では〈6~7〉程度のスピードに抑えましょう。富士山を安全に登頂する為にはスピードは必要ありません。スピードに拘ってしまうと必ず高山病に掛かってしまうでしょう。
「急がば回れ」と申します。
〈うさぎとカメ〉の精神が高山病の最大の予防対策になりましょう。
焦らずゆっくり確実に!
呼吸を意識する
また深く呼吸することも意識しましょう。
歩くスピードを抑えて〈空気を鼻から吸って口から強めに吐く〉ことを心掛ければ、
自然と深い呼吸が出来るでしょう。低酸素状態での酸欠を防ぐ事が出来ます。
ポイントは、ストローで強く息を吐くイメージで。
強く息を吐くことで深く息を吸い込むことが出来、しっかり酸素を取り込むことが出来るでしょう。
呼吸は「ハァハァ…」ではなく「フーフー」で。
息を吐き切れば自然と深く息が出来るよ!
こまめに休憩するよう意識し、短時間の休憩を心掛けよう
ゆっくり歩き、まめに休憩することが高山病対策のポイントです。
30分歩いては5分休憩、また30分歩いては5分休憩みたいな…
ポイントは「休憩を多く取るかわりに休憩時間は短時間で!」
長時間の休憩はカラダを冷やす原因となり体力低下に繋がります。
前日はしっかり睡眠をとる
富士山の前日は、遠足の前日のようにテンションが上がってなかなか眠れないかも。
しかし睡眠不足の状態で富士山に登ると高山病になりやすいと言われています。
なるべく富士山の前日はしっかりとスケジュール調整を行い、十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。
マメに水分補給する
高山病の大きな要因に〈脱水症状〉が挙げられます。
体内の水分が不足すると、血液の循環が悪くなり酸素が行き届かなくなります。
人間の体内は約60~70%が水分だと言われています。
その水分が不足すると血液がドロドロし、脳への酸素供給が低下します。
息があがり過呼吸になると、毎時0.2リットルもの水分が吐く息によって失われると言われています。
運動生理学の立場からは高山病はともかくとして脱水は多くの代謝障害を引き起こし、さまざまな問題を引き起こしかねないのは確かである。高所に上がり、乾燥寒冷地でハアハアと過呼吸になると毎時0.2リットルもの水分が呼吸に失われることもあり、十分な水分摂取ができない環境にある登山者は脱水に陥りやすい。
引用元:高所登山と水分‐日本山岳会
脱水症状を防ぐには、マメな水分補給が必要不可欠。
一度に多くを摂るよりも、少量ずつこまめに水分を取り込むことがポイントです。
もし高山病になってしまった時の対処法
しばらくカラダを休める
少しでも高山病の症状を感じたならば、無理せずその場でカラダを休めましょう。
出来れば横にならず、大きく深呼吸して酸素を取り込みます。
寝た状態だと呼吸が浅くなるので少しカラダを動かした方が効果的。
ストレッチ体操など血流に良い運動をするのが良いでしょう。
なるべく水分を摂り、血液の循環を良くして酸素を体内に取り込みましょう。
症状が改善しない場合は下山する
カラダを休めても症状が改善しない場合は、無理せず下山しましょう。
標高が高く酸素の薄い状態からカラダを通常モードに戻す事が大事。
下山することが一番の高山病対策です。
重症化させない対策が一番重要
酸素ボンベを使用することで体内に酸素を供給することができ、少し楽に感じる事があります。
またバファリンなどの鎮痛解熱剤(アスピリン、アセトアミノフェンなどの非ステロイド系)など、一時的に症状が改善する場合があります。
しかし薬によっては呼吸を抑制する作用があるので注意が必要。
頭痛は脳に酸素が行き届いていない危険サイン。
その危険サインを薬で抑えてしまうのは、高山病を悪化させてしまう原因となります。
なので薬に頼るのはおススメしません。
高山病を悪化させると〈高地脳浮腫〉や〈高地肺浮腫〉となり、最悪死に至る場合があります。
高山病の症状を薬などで抑えるよりも、重症化させない対策が一番重要です。
まとめ
今回は、〈初めての富士山で高山病に苦しまない為の対策〉を解説してみました。
高山病の原因は〈酸欠〉と〈脱水症状〉が大きな要因です。
初めての富士山にテンションがあがりついついハイペースに…
そうなるとカラダが順応できず高山病にかかりやすくなります。
まずはゆっくりとしたスピードで水分をしっかり採りながら登ることが大事。
カラダに負荷をかけず、高山病を未然に防ぐ対策が重要です。
しっかりと高山病の対策をとることで、初めてでも富士山に登頂することが可能です。
ぜひとも山頂で綺麗なご来光を拝んでみてくださいね!